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ホーストラスト(その2)

(続き)

牧場内の案内が終わってからも、マネージャのKさんから、どのような考えを持って牧場を始め、また、運営されているかを詳しく教えて頂きました。
あまりに多くのことを聞かせてもらったので、どの程度、消化できているかどうかが不安なのですが、印象に残った点だけでも書いておきたいと思います。

・昼夜放牧について
これについては、私には、話を聞き終えた今でも、いいのか悪いのか判断がついていません。
Kさんのお話ではまず、経費を押さえるにはどうしたらよいか、という観点から始めたということでした。
同じ理由で、一年中、牧草を育てることができる地域である鹿児島を選んだということでした。
また、実際にやってみて、昼夜放牧が馬にそれほど負担になることはない、という結論を得たということでした。
ただ、馬によって集団生活に馴染める場合とそうでない場合があります。いままで、馬房で単独でいた馬が馬同士の社会に溶けこむ必要があります。新参者にとってはすでに出来上がっているグループに入れてもらわなければなりません。何らかのきっかけがあって、うまく仲間になれればいいのですが、それまでの期間は1:元のグループという関係が続きます。
もちろん、馬が馴染んでいけるように配慮はされているのですが、人間の介在はそれほどの助けにはならず、結局は馬社会の掟に従うことになります(あるいはグループリーダーの器の大きさか?)。
それ以外にも、急な病気やケガにどこまで対応できるのか疑問が残ります。

もちろん、これらのデメリットはわかった上で、人手と飼育頭数のバランスを考えれば他に選択肢はないということも理解出来ます。だからといって、少なくとも、今の私にはこのやり方を真似することはできません。これは地の利や牧場の規模、そして多くの経験、これらのどれも欠かせない要素で、かなり高度なバランスの上で成立していると感じました。

・組織について
ここは牧場としては結構珍しく、NPO法人です。
一般的にはNPO法人にするメリットは税法上のこと、および対外的なことが多いように思われます。さらに、会計上の透明性が求められるので、出資者や賛同者にとって安心感があります。
ここも、スポンサーホース以外にも寄付金を受け付けています。
Kさんによると、法人にすることにより、個人の特色が強く出過ぎることへの抑制効果を期待しているとのことでした。このへんが、Kさんが普通の人ではないと感じるところなのでしょう。

ホーストラストに行って来ました(その1)

日曜日から鹿児島にある養老牧場ホーストラストに行ってました。
少し長くなるので、何回かに分けて書きます。
大阪から鹿児島までは車、フェリー、新幹線、飛行機のルートがあります。
その中で、コスパが圧倒的にいいのは飛行機+レンタカーでしょう。
もちろん、それにはLCCのPEACHの存在抜きにはあり得ません。この時期は閑散期ということもあるのでしょうが、1人往復1万円で十分お釣りがあります。時間帯によっては片道2980円だったりします。
関空の場合、PEACHは第2ターミナル発着なっていることもあり、時間に余裕が有ることが条件になりますが、それらをすべて勘案したとしてもこの価格差を埋めるだけの理由にはならないと思います。
それにレンタカーも最近は安い料金設定のところがあり、一日あたり3000円余りだったりします(免責の保険代別)。
泊まるところも、探せば、1泊1人2食付きで1万円くらいで結構評判のいいところが見つかりました。
私みたいに、コストはなるべくかけないで旅行しようと考える人間にはいい時代になったものです。

旅行記はこのぐらいにして、今回の旅行の目的はホーストラストさんでお話を伺うことです。

ホーストラストは約7年前にできた養老牧場ですが、知名度はかなり高いと思います。
養老馬を昼夜放牧(24時間放牧)で飼育できることをはじめて実証した牧場でもあります。
本来ならもっと早い段階でお話を伺うべきだったのですが、私の考えているのと方向性が違うのではないかとも思っているうちに、最後になってしまいました。
しかし、実際に自分の目でみてみると、想像とは違った面も見えてきました。

まず、到着するやマネージャであるKさんから牧場の規模など大雑把に説明を受け、その後、スタッフの方に、たくさんある放牧地を一つ一つ案内していただきました。
養老馬は現在70頭余りで10数前後ずつのグループに分けて放牧しています。放牧地はそれぞれ数haの広さがあり、放牧面積は北海道を入れても日本随一でしょう。
それぞれの放牧地は、水桶や餌やりや手入れのやりやすさなどに随所に工夫が見られます。特に水道については、広大な敷地にもかかわらず、大元の一箇所から、すべての放牧地に行き渡らせているとのことで、最初の放牧地の設計を緻密にやられているのがわかります。

(続く...)

用地取得確定

年末から再度交渉して合意できたはずなのに、なぜか地権者の1人が、なかなかハンコを押してくれず、ズルズルと時間ばかりが経ってしまってました。
もういよいよダメかなと思っていたのですが、今日になってブローカーの人から、「書類(農転申請の同意書)にハンコをもらえた」と連絡がありました!!。
気の変わらないうちにすぐに契約、といきたいところですが、前回の開発申請から時間が経ってしまっているので再申請に2週間ぐらいかかるらしいのです。で、遅くとも2月の最初には契約となり、用地取得がやっと実現します。

正直、ここまでの時間はたいへん長く辛かったです。
昨年の8月末からの造成・着工、今年の初夏の開業を目指して計画を立てていたのですが、先行して準備していたことの多くが無駄になってしまいました。自分の時間が無駄になっただけならまだしも、土建屋さんや建築業者さんにも多大な迷惑をかけてしまいました。

でも、遅れてよかったこともあります。
今年の冬はかなり寒いので、もし芝生の播種を秋にしていたら全部ダメになっていたかもしれません。
造成についても、当初の計画では播種の都合で1次造成と2次造成に分けてやる必要があったのですが、今度は播種を最後にすればいいので、一度にやってしまえるはずです。

事業用の太陽光発電については、おそらく年度末の申請に間に合わないでしょう。次年度からの買取価格は大幅に引き下げられるはずですから、諦めざるを得ないでしょう。

開業時期についてはまだなんともいえません。
希望的観測でいけば2ヶ月ぐらいの準備期間を経て、4月着工で8月末ごろに完成でしょうか。
プレオープンが9月で、本格的な開業は来年というところが堅い線でしょう。

最後になりましたが、このようにどうなるかわからない状態であるにもかかわらず、メール等でいろいろ励ましを頂いた皆様にお礼を申し上げますm(__)m
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八ヶ岳ホースケア牧場
プロフィール

かず

Author:かず
馬乗りです。
妻および愛娘(犬)あり。
世間一般には中年あるいはおじさんなどと呼ばれる年齢ですが、かたくなに認めません。
愛馬と家族とともに牧場を開業中です。

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