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コロナウイルス対策の私見(3)

なぜ、PCR検査数を増やさないかの疑問が少しわかった。
当初、日本ではPCR検査は国立感染症研究所が一手に行っていた。
ここは検査機関でもあるが研究所である。正確なデータを収集して(今後の)研究に役立てたいのだ。
検査数が少ないうちは時間をかけてより正確な結果を出すことは意味があった。
しかし、いまはすでに感染経路がわからない感染者がいっぱいいる。感染力のピークが症状のでる少し前だという報告もある。
研究者たちはこのような事態の中でもまだ、従来の主張を繰り返している。
すなわち、軽症の感染者まで検査して陽性が出たら入院させなければならず、医療崩壊が起こる、という耳タコのお話だ。
これは、無症状や軽症の人は病院ではなく、隔離するための場所を作るなり、自宅待機してもらうことで解決する話である。

それよりも、自分が感染してるかもしれない不安の中で自宅から出られない人や、逆に、自分は大丈夫だと根拠のない自信にあふれて、結果、いっぱい感染者を作ってしまう人を発生させてしまうことになる。
もちろん、後者の場合のほうがはるかに問題ではあるが、現在の基準では濃厚接触者かあるいは疑わしい症状(発熱+倦怠感のような)でなければPCR検査は門前払いである。たしかに明らかに風邪の症状だが、不安だから検査してほしいというのは検査する必要なない。しかし通勤電車に乗っているだけでも感染リスクはあるわけで疑わしいと少しでも思えば検査して囲い込みをより強固にするほうがよい。
検査の精度が低いと偽陰性のリスクが高まり、その結果かえって感染が広がる、という意見もある。しかし、あくまでも感染爆発を防ぐという意味においては少数の例外は無視できるのではないか。たとえ陰性判定でも何らかの疑わしい症状があれば、偽陰性の可能性もあることを説明し自宅待機を要請すればよい。
すでに3分で結果が出る検査キットがあり、簡易な検査設備で結果がだせるようになっている。
これをどんどん広げ、「疑わしきは検査する」の方針を徹底するのが今やるべき最善の方法だ。

経済対策についても同じ匂いがする。
全員に現金給付がいいのか、困っている人にだけ配るほうが良いのか。
技術的に可能なら財源的に見ても後者のほうがいいだろう。
しかしながら、当初の案は無理筋だ。まず、困っている人の定義をどうするのか?コロナ以外の理由で困っている人には生活保護などの福祉で対応する。それ以外で、コロナのために急に収入が減って、住民税非課税世帯並かあるいは収入が二分の一以下になって住民税非課税世帯並の2倍といった数字になんらかの根拠があるのか?また、それを証明することが可能なのか。そのために一件一件審査していたのでは何年経っても支給できないだろう。
それよりも、まずは全員に必要とするだけ配る(最初は10万円でも)。
それから(来年以降)、高所得者から復興名目の所得税増税で回収する、で解決ではないか。
だれもこの増税には反対できないだろう。国(とくに日本)は一時的に借金してもどうにでもなる。
頭脳がこっちこちに固まってしまったお役人の意見が通ってしまうのでは、せっかく国民全員に我慢を強いる非常事態宣言がまったくの無駄になってしまう。

コロナウイルス対策の私見((2)

ついに全都道府県を対象に緊急事態宣言が出された。
ここに至る経緯はのちに検証され評価されるであろうが、すくなくとも現時点までの政府の対応が賞賛に値しないことは確かだ。
日本でここまで対応が後手後手に回ってしまったことは大きく2つの原因がある。
1つめに感染拡大を防げなかったことは、政治家および国民の危機意識の欠如および検査数を増やす努力を怠ったことだ。
先に収束を迎えた韓国では民間の検査機関を使って検査能力を確保した。もちろんいろいろ言い分はあるだろうが、なるべく多くの人を検査して疑いのある人の囲い込み/隔離ができていれば、ここまで危機的な状況にはならなかったはずだ。
日本には優秀な人材がたくさんいるだろうに、なぜ、このようなときに頭角を現すことができないのだろうか?
今回のような危機的状況のときにこそ、専門家の意見を取り入れ、さまざまな傍論をシャットアウトする度量がリーダーには求められる。自分が陣頭指揮を取ることが適切ではないと判断したなら、然るべき人を然るべきポストに付けて権限を与えることはできないのだろうか?

で、2つめはIT環境の遅れだ。
日本は交通網の整備やインターネット環境などインフラ面では世界有数である。そのためてっきり世界の中でもIT化が進んでいる国の一つだと思わされてきた。しかしながら実態は全く違う。確かに一部の分野においては高度に発達しているが、それはやはりガラパゴス的進化と言わざるを得ない。
今回の件でも、所得が減った人に現金給付をするかどうかの議論が進まないが、政府が一人一人の所得を把握できていないことがもっとも大きな障害ではないか。全員に現金を配るとなると公務員など所得の減っていない人にも税金からお金を配ることになる。一方、10万円ぐらいでは焼け石に水だという人もたくさんいるだろう。
せっかくマイナンバー制度を導入したのにこのようなときに活用できない。すべてのお金の流れを把握できれば、本当に困っている人に必要なだけの資金を渡すことができるはずだ。
前年同月比で売り上げが下がったらもらえる助成金があるが、コロナとは関係なく売上が下がったのかどうかを審査する必要がある。それに時間がかかりなかなかもらえないのでは元も子もない。でも、これもすべてのお金の流れを把握できていればすぐに給付できる。
もっとも、IT担当大臣がハンコを守る会会長(正確にはちょっと違うけど)だというブラックジョークにしか聞こえない人選をしている時点で『だめだこりゃ』だが...。
世界的に見ればITの世界は完全にクラウドの波に飲み込まれていて、その中での戦いになっている。
日本中のお金の流れを完全に追跡することぐらいは技術的にはなんとでもなる。しかしながら政府や役人の頭はIBMの大型コンピュータやNECや富士通のPCから進化していないらしい。(ハンコ文化との融合とか言っているのでひょっとしたら江戸時代から進化していないのかも?)
政府系のシステムで一般人に関係するのはe-taxとe-govだ。
e-taxはやっとましになったが、e-govは残念を通り越して哀愁を感じさせてくれる。この開発にいったいいくらつぎ込んだのだろうか。社会保険関連の複雑怪奇な書類の山を電子申請システムですっきりできると期待したが、これでは台無しだ。厚生労働省も伏魔殿なのだろうか。
システムの出来は別にしてe-taxとe-govを統合して、税金(所得)と社会保険を一元管理するだけで政府と地方自治体がやるべき仕事の大半はできてしまうのではないか。
いっそうのこと今はやりのAIに任せたらはるかに効率の良いシステムが出来上がってしまったりするかも。

コロナウイルス対策の私見

4月に入ってから急激に感染者数が増えてきている。
ここ山梨でも東京や大阪に比べれば絶対数は少ないが、それでも急増と言っていい増加である。
全世界的にはそろそろピークが見えてきたかに見えるこの時期になって日本ではまったく先が見えない。3月中旬に一旦下火になったかに見えたのに実際には全然そうではなかった。
そもそもなぜこうなってしまったのか?

一番の疑問はなぜここまで検査数を絞り込む必要があったのだろうか、という点だ。
初期においては検査体制ができていなかったとか、検査キットが手に入らなかったという理由があっただろうが、今でも感染者が出た場所にいた、というだけでは検査してもらえないらしい。プラス発熱ぐらいでもだめ。別の人に陽性がでてはじめて検査。そして検査したら陽性だった、という事例が紹介されている。検査してもらえるまでに2週間。その間に症状が悪化して家族にも職場の人たちにもたくさん接触していっぱい感染者を生み出してからの隔離。
本来なら感染者が出た時点で、その人と同じ空間にいた人は全員検査するべきであろう(もちろん、潜伏期間を考慮して複数回)。
その結果、陽性で症状のある人は入院、無症状の人は自宅待機、陰性の人も偽陰性の可能性があるので、しばらくは活動自粛してもらえれば、心配される医療崩壊はおこらないのではないか。医療崩壊を恐れるあまり、本来必要のある人も検査しなければ、感染しているが症状のない人、あるいは多少の症状はあるが風邪や花粉症と思い込んでいる人(本人は感染者と接触したことを知らないので無理はない)を野放しにしてしまったのでは、さらなる感染者をどんどん生んでしまうことは明らかだ。
一時期多くの検査をしたら医療崩壊が起こるとまことしやかにいわれていた(いまだにいっている人もいる!!)が、何も陽性の人全員を入院させる必要がないことぐらい明らかであろう(8割の人は自然治癒するのだから)。

事実、東京での新たな感染者のほとんどが感染経路が明らかになっていない。
これは潜在的な感染者がすでに多くいることを示している。でもこれはその人が悪いのではなく、自分では感染したとは思っていないので多少の症状があったとしても風邪や花粉症と思っていて通常の生活を送ることになる。
今からでも遅くないので、感染者の発生した場所および生活圏および移動経路にいた可能性のある全員の検査をできるように体制を整えるべきである。
このウイルスの感染力がもっと弱ければ今回の方法でも乗り切れた可能性もあったであろう。しかし、この楽観的な予想が外れていることは少なくとも2月初旬にはわかっていた。その時点でもっと徹底したコロナ対策をとらなかった為政者の責任は重い。
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八ヶ岳ホースケア牧場
プロフィール

かず

Author:かず
馬乗りです。
妻および愛娘(犬)あり。
世間一般には中年あるいはおじさんなどと呼ばれる年齢ですが、かたくなに認めません。
愛馬と家族とともに牧場を開業中です。

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