日本ダービーで思うこと
先日行われた日本ダービーでは勝利を飾った馬よりも、2番人気のスキルヴィングが入線後、急性心不全で死亡したことのほうが大きく取り扱われることになりました。 スキルヴィングは日本ダービーの出場権利を獲得するために、この日本ダービーの3週間前に同じ東京で行われた青葉賞で勝利しています。青葉賞で勝った馬は日本ダービーでは勝てないというジンクスがあるらしいのですが、それはやはり3週間という期間では完全に体力が回復できないからなのか、調教でピークを青葉賞に合わせてきたからなのか、いずれにせよ、スキルヴィングは無理をさせられたことには間違いないでしょう。
で、若くして亡くなった馬はもちろん可愛そうで残念なのですが、その後、ある元騎手の方が、それを悲しむ競馬ファンに向けて批判的な内容のブログを書いて、賛否両論を巻き起こしました。
私は書き方は別にして、総論としては、この元騎手の書かれていることは全く持って正論で反論の余地はないと思います。
私は競馬をやったことがないので偏見かもわかりませんが、多くの競馬ファンは馬券の当たり外れのみに関心があり、馬のウェルフェアなんて知ったこっちゃないという人がほとんどではないでしょうか?「そんな事をいちいち考えていたら、ギャンブルなんてできない」、なんていう声もあるとは思いますが、競馬はあくまでも娯楽であり、その楽しみを与えてくれた馬たちにもう少し「分け前」をあげてもいいのではないでしょうか?馬の分け前と言っても、もちろん、ニンジンやりんごのことではありません。
私は書き方は別にして、総論としては、この元騎手の書かれていることは全く持って正論で反論の余地はないと思います。
私は競馬をやったことがないので偏見かもわかりませんが、多くの競馬ファンは馬券の当たり外れのみに関心があり、馬のウェルフェアなんて知ったこっちゃないという人がほとんどではないでしょうか?「そんな事をいちいち考えていたら、ギャンブルなんてできない」、なんていう声もあるとは思いますが、競馬はあくまでも娯楽であり、その楽しみを与えてくれた馬たちにもう少し「分け前」をあげてもいいのではないでしょうか?馬の分け前と言っても、もちろん、ニンジンやりんごのことではありません。
それよりも、引退後の馬の生活を保証にすることです。現在の引退競走馬の運命はかなり過酷なものです。一部の馬は繁殖馬になりますが、それ以外は基本、乗馬クラブに行くか処分です。
乗馬クラブに行って乗馬としての才能を開花させ、乗馬クラブの会員さんたちに可愛がられたら、かなりの勝ち組です。場合によっては会員さんに買い取ってもらって老後は養老牧場という道もありますが、これは本当に一握りの馬です。
多くの引退競走馬は各フェーズで「処分」という道が待ち構えています。しかも、これはほとんど場合、経済的な理由によるものです。まだまだ生きることのできる命が、飼育料を払うのがもったいない、という理由で処分されているのです。
受益者負担という言葉があります。競馬には多くの人が関わっています。生産、育成、JRA,NRA、調教師、厩務員、騎手、獣医、馬主等々。では、最終的な受益者は誰かと考えれば、競馬を楽しんでいる人、すなわち、勝馬投票券を購入している人ということになります。
だったら話は早いです。勝馬投票券に強制的に一定の割合(例えば1%)で、引退競走馬基金への寄附金付きする。一斉にというところに理解得られないのなら、寄附金なしの勝馬投票券も併売して購入者に選択させる、というのはどうでしょうか?たとえ1%といえども、今現在の払戻率を下げられるのは反対する人が多いのでしょうか?もし、そうならなんか悲しいですね。
JRAの売上は最近3兆円を超えています(ちなみにJRAの収益はその15%です)。
仮にそれが全て、勝馬投票券の売上だったとして、その1%は300億円になります。
仮にそれが全て、勝馬投票券の売上だったとして、その1%は300億円になります。
馬1頭を飼育する費用はかなり大雑把な計算で月10万円とすれば、この300億円で、25,000頭の馬を飼育できる計算になります。今、軽種馬の年間生産数は約7,500頭です。この7,500頭のすべてが引退後すぐに養老生活を送るわけではありませんが、乗馬クラブなどへ行った馬もいずれ2ndステージを卒業します。飼育環境向上のお陰でいまや30歳を超える馬は珍しくありません。平均で、15年間、養老生活(すなわち直接利益を生み出さない期間)を送るとしたら、それにかかる費用は15x10x12=1800万円/頭になります。7,500頭のうち半分が支援の必要があるとして、 1800x7500/2=6,750,000万円
生まれてくる馬と死亡する馬の数が同じだとして、ほぼ全数を救おうとすると、年間675億円かかることになります。これはJRA売上(3兆円として)の2.25%に相当します。
この程度の金額を競馬ファンが負担することに同意してくれれば、日本も馬のウェルフェアに関しては先進国になれると思うのですが、現実は厳しいのかな。
この程度の金額を競馬ファンが負担することに同意してくれれば、日本も馬のウェルフェアに関しては先進国になれると思うのですが、現実は厳しいのかな。